令和2年度産業保安等技術基準策定研究開発等(休廃止鉱山におけるグリーン・レメディエーション(元山回帰)の調査研究事業)報告書
報告書概要
この報告は、休廃止鉱山におけるグリーン・レメディエーション(元山回帰)技術の調査研究について書かれた報告書である。金属鉱業等鉱害対策特別措置法に基づく第5次基本方針を踏まえ、今後150年以上坑廃水処理が必要になる鉱山も存在することから、長期的視点に立った対策技術の検討が重要となっている。本事業では、リスク評価・管理アプローチによるグリーン・レメディエーションに関する新たな研究フレームワークを踏まえ、第6次基本方針策定に向けて総合的な鉱害防止対策の最適化を検討している。
主要な研究課題として、マンガン酸化菌利用処理技術、生態影響評価、植物-微生物複合共生系を利用した新緑化対策技術について調査研究を実施した。マンガン酸化菌利用処理技術では、実際の処理技術を適用したマンガンスラッジに局在する微生物機能の解析を行い、RNA-seq法により微生物群集内で発現している遺伝子を網羅的に解析することで、マンガン酸化機構に関する新知見の取得を試みた。生態影響評価については、令和元年度に作成したガイダンス案を踏まえ、休廃止鉱山を管理する自治体等の意見を求めて生態影響評価ガイダンスを作成した。
植物-微生物複合共生系を利用した緑化対策技術では、各事業者へのアンケート調査を実施し、緑化の目的や希望する緑化段階を明確化するとともに、遷移中期・後期植物の導入方法や高濃度有害金属に対する耐性植物の利用を中心とした休廃止鉱山の緑化に関するガイダンス案を作成した。また、利水点等管理ガイダンス案の作成では、水質管理基準の弾力的運用を行っている休廃止鉱山の事例を踏まえ、利水点等管理についてのガイダンス案を作成し、実際の管理者である都道府県等に意見を求めて改定を行った。これらの調査研究成果は、第6次基本方針策定に向けた基盤情報として活用される予定である。