令和2年度産業標準化推進事業委託費(戦略的国際標準化加速事業:海外標準化動向の把握・分析)最終報告書
報告書概要
この報告は、海外標準化動向の把握・分析について書かれた報告書である。令和2年度に実施された戦略的国際標準化加速事業の一環として、日本政府・企業による標準化戦略の立案や国際標準の開発・普及に資する最新の国際的な標準化・規制動向を収集・分析した結果をまとめている。調査対象は欧州、米国、中国、ASEAN5か国であり、ファイナンス、ヘルスケア、スマートマニュファクチャリング、モビリティ、資源循環、エネルギーマネジメント、共通の7分野にわたって実施された。全体として中国地域での標準化活動に係る情報量が最も多く、次いで欧州地域での標準化活動が多い傾向にあった。テーマ別では、COVID-19感染拡大防止策としてのヘルスケア分野のガイドラインや、モビリティ分野における自動運転・電気自動車・ドローン等に関する規格・規制動向についての情報が年間を通じて頻繁に発信されていた。欧州では気候変動対策及び持続可能な開発に重点を置いたルール形成が多く見られ、米国では自動運転車両の安全性に係る規格やドローン関連の標準化活動が目立った。中国ではスマートシティのICT技術に関連するISO規格の策定など国際標準化活動が活発化しており、ASEANでは金融セクターを対象としたAI及びデータガバナンスに関する政策整備が確認された。デジタル化の急速な進展により、共通分野におけるデータ・情報セキュリティに関する規格・規制・政策動向も多く確認され、国際的にはCOVID-19からの経済社会復興を支援する国際規格の策定やAI・データセキュリティに関する議論の機会が増加している。
