令和2年度産業経済研究委託事業(旅費関連申請・外勤費精算業務の効率化に向けたプロトタイプ環境構築事業)調査報告書

掲載日: 2021年7月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 大臣官房政策評価広報課(業務改革課)
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令和2年度産業経済研究委託事業(旅費関連申請・外勤費精算業務の効率化に向けたプロトタイプ環境構築事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、経済産業省の旅費関連申請・外勤費精算業務の効率化を目的としたプロトタイプ環境構築について書かれた報告書である。経済産業省では、METIトランスフォーメーションの一環としてバックオフィス業務の時間削減を進めており、旅費申請や外勤費精算業務において民間企業と比較して職員の作業負担が大きいという課題が存在していた。職員は出張前の詳細な旅行計画作成、複数の申請書類の作成、SEABISシステムへの入力作業など、多くの手間と時間を要する業務に直面していた。また、決裁ルートの長さや入力不備による手戻り、PASMOの現物管理など、システムと業務フローの両面で非効率性が顕著であった。これらの課題解決のため、本事業では現行SEABISの機能を前提として、セールスフォース開発環境上に旅費申請・外勤精算用システムのプロトタイプを構築した。プロトタイプは内国出張申請、外国出張申請、外勤費申請の三つの機能を対象とし、職員とBPO間の業務効率化ツール、外国旅行手配と備品手配の一体化、モバイルデバイスによるICカード読み取り機能などを実装した。検証の結果、BPOを活用した業務負担削減効果が確認され、申請アプリの機能方針も妥当と判断された。技術面では経路検索APIとの連携や交通系ICカードデータの取り込み機能が正常に動作することが確認された。しかし、実運用に向けては業務設計の標準化、セキュアなAPI接続技術の確立、代理申請や排他制御などの機能要件追加が必要である。