令和2年度内外一体の経済成長戦略に係る国際経済調査事業(人生100年時代/ポストコロナ時代の個人の活動履歴の在り方に関する調査)調査報告書(概要版)(英語)
報告書概要
この報告は、個人の活動履歴を中心としたデジタル変革に関する社会基盤整備について書かれた報告書である。人生100年時代における「個人の力を活かす時代」の到来を見据え、現在は紙ベースの証明書に依存している個人認証システムから脱却し、国際的に通用する自己証明プラットフォームの構築を目指している。本プロジェクトでは三つの主要目標を掲げており、まず労働市場における透明性向上と安全性確保による活性化の実現、次にデジタル化進展に対応した個人の再学習機会拡大と技能向上、さらに個人中心の高度な人材関連新規事業創出と社会保障制度強化である。機能面では個人の識別・認証、個人データとの連携方法、個人データの証明手法について検討し、非機能面では個人データの取り扱い方法とユーザーエクスペリエンスの改善を課題としている。報告書では政府全体の議論状況を踏まえつつ、個人データにおけるデジタル変革に必要な機能的・非機能的ガバナンスについて検証を行った。特に透明性、公平性、制御可能性、アクセス性、セキュリティ、可搬性、相互運用性、共有可能性、無効化可能性の9つの要素を重視している。将来の社会基盤設計においては、政府には資格証明書のデジタル化推進、技術仕様やガイドライン策定、マイナンバーカードを活用したデジタルアイデンティティ検討、国際連携の橋渡し役割を求めている。一方、民間セクターには資格証明書のデジタル化促進、発行資格の真正性証明機能開発、KYCを念頭に置いた識別基準確立、相互運用可能なインフラ構築、プライバシーに配慮した個人データ適切処理が期待されている。
