令和2年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業(CCS国際連携事業(CCS関連国際機関等との連携事業))調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度における地球温暖化対策の国際機関等連携事業について書かれた報告書である。公益財団法人地球環境産業技術研究機構が実施したCCS(二酸化炭素回収・貯留)関連の国際連携と規格化対応について詳述している。
国際機関との連携では、CSLF、IEAGHG、CEM CCUSイニシアティブ等の活動に積極的に参加し、CO2海底下貯留に関するロンドン条約会合の動向を調査した。CSLF技術グループにおいては、2021年版技術ロードマップの策定が進められ、新たなCSLF戦略の策定についても米国とカナダから提案がなされた。PIRTについては知識共有プラットフォームとしての役割強化に向けた見直しが決定された。IEAGHGでは2020年度に15件の報告書が発行され、9件の新規技術研究が実施されることとなった。CCUSイニシアティブでは金融セクターとOGCIとの協力が順調に進展し、投融資の主要原則が公表された。
各国のCCS政策動向については、ノルウェーのLongshipプロジェクトが議会承認を受け建設段階に移行し、オランダではSDE++制度での初回公募が実施された。カナダではAlberta Carbon Trunk Lineが運転を開始し、米国ではSection 45Qの規定明確化により商用CCUSプロジェクトの実現が期待されている。
CCS関連規格化への対応として、ISO/TC265の活動に積極的に参画し、国内審議委員会と5つのワーキンググループを設置して規格開発を推進した。新型コロナウイルスの影響によりオンライン会合への参加が中心となったが、各分野での技術検討と国際標準化作業を継続的に実施した。特に貯留分野ではテクニカルレポートTR27923の開発が完了し、Q&V分野では標準化の再開に向けた取り組みが行われた。
