令和2年度化学物質安全対策(国際的な化学物質管理戦略構築に関する調査)調査報告書

掲載日: 2021年7月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課
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報告書概要

この報告は、令和2年度に実施された化学物質の安全対策と水銀管理に関する国際動向について書かれた報告書である。本調査は、国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)の2020年目標達成に向けた取組みと、水俣条約に基づく水銀使用製品の代替技術に関する調査を目的として実施された。国際的な化学物質管理戦略構築に関する調査では、新型コロナウイルスの影響により延期されたSAICM第4回会期間会合及び第5回国際化学物質管理会議の代替として、JUSSCANNZ会合やOECD化学品合同会合に参加し、議論内容の把握と会合の議事概要作成を行った。水銀によるリスクの軽減促進に関する調査では、水俣条約附属書Aの見直しに向けて、スイッチ及び継電器、計測器における水銀代替に関する技術的及び経済的な可能性について詳細な調査を実施した。特にスイッチ及び継電器については、工業会に所属しない事業者や医療機器を取り扱う事業者における代替技術の有無と使用状況を調査し、水俣条約事務局への情報提供資料として取りまとめた。計測器に関しては、気圧計、湿度計、圧力計、温度計の各分野において、関係業界団体へのヒアリング調査を通じて代替技術の現状を把握した。調査結果により、多くの水銀使用製品について代替製品が存在するものの、修理時の単純交換は寸法の違いや設計変更の必要性により困難であることが明らかになった。また、一部の特殊用途においては、同等の性能を達成する代替技術に課題があることも判明した。これらの調査成果は、水俣条約締約国会議における議論に貢献するとともに、国内の化学物質管理施策の推進に活用されることとなる。