令和2年度中小企業・小規模事業者及び支援機関等における優良取組事例に関する調査事業調査報告書

掲載日: 2021年7月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部企画課調査室
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報告書概要

この報告は、新型コロナウイルス感染症流行下における中小企業・小規模事業者及び支援機関の優良取組事例について調査した報告書である。

報告書では、静岡県富士市の株式会社ミズ・バラエティーが、リーマン・ショック後の経営危機を乗り越えるため会計・財務を徹底的に学び、経常利益率10%以上と自己資本比率50%を目標とした経営体制を構築したことで、コロナ・ショック時も赤字転落を回避し、従業員への具体的な数値説明により信頼関係を維持できた事例が紹介されている。三重県川越町の有限会社松輝製網では、漁網とカーテンの既存事業の技術を活用し、商工会の支援を受けながら抗ウイルス生地を使った「清らマスク」を開発し、短期間で量産体制を確立して新たな収益源を創出した。福岡県宇美町のKOYASU FARMは、山羊の乳を使ったアイス製造業において、商工会と連携したブランディングや専門家派遣を活用し、感染症流行下でもEC販売や他地域との連携を進めて事業基盤を強化した。支援機関の取組では、山口商工会議所が「テイクアウトdeやまぐち」サイト開設やプレミアム付きチケット発行により地元飲食店を支援し、熊本県商工会連合会が物産フェアをオンライン開催に切り替えて事業者のEC導入を積極的に支援した事例が示されている。これらの事例は、財務基盤の強化、既存技術の転用、支援機関との連携、デジタル化への対応が感染症流行下での事業継続において重要であることを示している。