令和2年度中小企業のデジタル化に関する調査に係る委託事業報告書

掲載日: 2021年7月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部企画課調査室
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報告書概要

この報告は、中小企業のデジタル化に関する現状と課題について書かれた調査報告書である。新型コロナウイルス感染症を契機として、中小企業においてテレワークをはじめとしたデジタル化の必要性が高まっている状況を受け、野村総合研究所が令和2年度に実施した委託事業の結果をまとめたものである。報告書は、デジタル化に関する先行研究および統計情報の収集、中小企業支援の実態に関する定量分析、デジタル化事例の収集・整理、課題の抽出と政策提言という4つの章で構成されている。国際比較分析では、日本のIT投資額が1999年比で諸外国と比べて低い水準にあることが示され、長時間労働者の割合の多さや勤続年数の長さから、属人化したスキルに依存している可能性が指摘されている。中小企業向けアンケート調査では、全国の中小企業を対象とした詳細な実態調査が実施され、デジタル化の推進体制、経営者の関与度合い、IT人材の確保状況、業務プロセスの見直し、情報セキュリティ対策など多岐にわたる項目について分析が行われている。調査結果からは、試行錯誤を許容する風土やデジタル化の推進体制、経営者の積極的な関与がデジタル化による業績向上に影響を与えることが明らかになっている。また、事業継続力強化の観点からデジタル化の重要性が高まっており、特に新型コロナウイルス感染症拡大下においてその効果が顕著に現れていることが確認されている。報告書は最終的に、中小企業のデジタル化推進に向けた具体的な政策提言を行い、今後の中小企業政策の企画立案や中小企業白書・小規模企業白書作成の基礎資料として活用されることを目的としている。