令和2年度中小企業の財務基盤及び事業承継の動向に関する調査に係る委託事業報告書

掲載日: 2021年7月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部企画課調査室
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報告書概要

この報告は、令和2年度における中小企業の財務基盤及び事業承継の動向について書かれた報告書である。新型コロナウイルス感染症の拡大により、中小企業の業況が急速に悪化する中、貴重な技術やノウハウを持つ中小企業の再成長と倒産・廃業防止のため、財務基盤強化と事業承継支援が重要な政策課題となっている背景を受けて実施された調査である。株式会社東京商工リサーチが実施したアンケート調査では、全国20,000件の中小企業事業者を対象とし、6,114件の有効回答を得た。調査内容は事業内容から財務意識、経営計画、コロナ影響、資金調達、取引金融機関、事業承継まで幅広い項目にわたっている。新型コロナウイルス関連破綻は累計1,135件に達し、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府で特に多発している状況が判明した。破綻の約9割が消滅型の破産であり、再建型の選択が困難な状況が浮き彫りとなっている。財務管理については、業績・資金繰り予測の管理主体は経営層が67.9%を占め、社内共有については十分できている企業が24.0%、ある程度できている企業が49.5%となっている。予測期間は4~6か月後が35.7%で最多であり、長期予測を行う企業ほど財務指標が良好な傾向が見られる。財務指標の活用状況では、売上高経常利益率は79.0%の企業が活用している一方、ROEや総資産回転率の活用率は57%台と相対的に低い水準にとどまっている。