令和2年度地域企業が行う「持続可能な経営」において重要な要素に関する調査事業報告書
報告書概要
この報告は、地域企業における持続可能な経営において重要な要素に関する調査について書かれた報告書である。新型コロナウイルス感染症の影響拡大やアフターコロナの社会情勢変化、生産・消費人口の減少、環境対策の強化、自然災害への対応、デジタル化といった外部環境の変化に対し、地域企業が短期的利益のみを追求するのではなく、中長期的観点から経営課題を捉え、本業を通じた事業転換や組織改革等の経営変革に積極的に取り組むことが求められている。調査では持続可能な経営に関する重要な要素として、組織マネジメント、取引先との関係性、外部からのガバナンス、地域社会との関係性、その他ステークホルダーとの関係性の5つの観点を設定し、これらの非財務面の指標が企業の財務パフォーマンスにどのように影響するかを検証している。調査方法としては、財務の健全性指標として成長性、収益性、効率性、安全性を設定し、非財務指標については全体戦略・方針、マーケティング、ファイナンス、オペレーションの4つの軸で分析を行った。調査対象項目の選定においては、業種横断的であること、地域金融機関等の地域支援機関が認識しやすいこと、比較的短期的にも取組みのインセンティブが見込まれること、事業性評価との親和性が高いこと、調査の新規性があることの5つの基準を設けている。本調査の成果は地域企業の気づき・動機付けの一助となるよう普及・啓発していくとともに、地域金融機関を通じた展開や、国・自治体・地域支援機関における対話・支援ツールとしての活用を目指している。