令和2年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(国内における環境価値取引市場の動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費について調査した報告書である。経済産業省が令和2年度に実施した事業であり、我が国の環境価値取引制度の特徴や差異の整理、GHGプロトコルと算定・報告・公表制度の相違点調査、諸外国における温室効果ガス排出量算定制度の調査等を行った。
我が国の環境価値取引制度として、J-クレジット制度、グリーン電力証書制度、非化石証書制度の三つが存在し、それぞれ異なる成立経緯と制度目的を持っている。J-クレジット制度は省エネ・再エネ設備導入による排出削減量・吸収量をクレジット化する制度であり、経済産業省・環境省・農林水産省が運営している。グリーン電力証書制度は再生可能エネルギーによる環境価値を認証する制度で、一般財団法人日本品質保証機構が運営している。非化石証書制度は電気の非化石価値を証書化する制度となっている。
GHGプロトコルと算定・報告・公表制度の比較では、両制度の成立経緯、趣旨・目的、取り巻く環境等の相違点を整理した。GHGプロトコルは民間主導の国際的なガイドラインであり、算定・報告・公表制度は日本の法的制度である。諸外国調査では、米国、EU、英国、オーストラリア、中国の温室効果ガス排出量算定制度について調査し、各国の制度の特徴を比較検討した。個社における再エネ調達事例では、追加性や地産地消を重視する企業の取り組み事例を確認した。ガイダンス改訂版の普及促進として窓口設営や説明資料作成を行い、研究会を書面開催で実施して小幅な改訂内容を承認した。
