令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(国際仲裁活性化に向けた調査事業)最終報告書(日本語)
報告書概要
この報告は、国際仲裁活性化に向けた調査について書かれた報告書である。経済産業省が令和2年度に実施した内外一体の経済成長戦略構築に係る国際経済調査事業の一環として、世界各国の主要仲裁機関における取組状況を詳細に分析している。
調査対象は、ドイツ(DIS)、フランス(ICC)、英国(LCIA)、米国(AAA/ICDR)、シンガポール(SIAC)、中国(CIETAC)、香港(HKIAC)、韓国(KCAB)の8つの仲裁機関である。各機関について、組織・運営状況、財政基盤、仲裁費用、仲裁人の構成、使用言語、海外拠点などの基本的な運営体制を分析している。
また、仲裁規則の改正プロセスについて、各機関の改正頻度、改正手続き、改正に向けた具体的な取組内容を調査している。広報活動においては、各機関の広報計画、ターゲット設定、説明会の実施状況、予算配分、今後の展望を比較検討している。
さらに、仲裁件数増加につながるその他の取組として、各機関が実施している独自の施策や工夫について調査している。今後の国際仲裁の動向では、需要が高まると予想される分野の特定や、他国の仲裁機関や政府による支援アプローチの分析を行っている。
特に注目すべきは、新型コロナウィルス感染症拡大による影響に関する調査である。パンデミックが各仲裁機関の運営に与えた変化、生じた課題、対応策について詳細に分析し、アフターコロナ時代における仲裁機関の在り方を検討している。本報告書は、日本の国際仲裁活性化に向けた政策立案の基礎資料として、海外主要機関のベストプラクティスと課題を包括的に整理した貴重な調査結果となっている。
