令和2年度省エネルギー促進に向けた広報事業(ナッジを活用した需要喚起型の一般向け情報発信事業) [報告書]

掲載日: 2021年7月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課
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報告書概要

この報告は、経済産業省が実施した省エネルギー促進のためのナッジを活用した広報事業について書かれた報告書である。

長期エネルギー需給見通しにおいて最終エネルギー消費で5,030万kl程度の省エネルギー実施が求められる中、本事業では一般消費者に向けて省エネルギーのみならず他の価値も併せながらナッジを活用した情報発信を行い、省エネに資する行動変容を促進することを目的とした。特に家庭部門における省エネルギー促進のため、古い家電から新しい省エネ家電への買い替えを促すナッジを活用したコンテンツを制作し、ECプラットフォーマーの会員情報を活用した情報発信を実施した。

対象家電として買い替えによる省エネ効果の高い冷蔵庫、エアコン、テレビの3商材を選定し、英国のBehavioural Insights Teamが発表したフレームワーク「EAST」の要素を活用した4つのナッジ手法を検討した。具体的には、多くの他者が買い替えをしていることを伝える社会規範、利得ではなく損失を強調する損失回避性、省エネ家電を買う買わないの選択から省エネ以外の機能やデザインでの選択に変更するデフォルト、買い替えタイミングの早期化を訴求するタイミングという4つの介入群と、ナッジを用いない1つの対照群から計15種類のバナークリエイティブを制作した。

楽天ユーザー2,500万IDを500万IDずつ5グループに分けて各パターンのバナー広告を表示し、年末の楽天セール期間中に合計2.5億回以上の配信を実施した。バナー広告からキャンペーンサイトへ誘導し、その後の商品購入の有無まで一貫して検証を行った。効果検証では、ナッジの有無及び種類による省エネに対する意識変容および行動変容をアンケート調査と楽天ID情報から検証し、広報上の効果と行動変容の両面から分析を実施した。