令和2年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(バルク貯槽告示検査方法効率化技術及びLPガス配管内圧力等の測定・点検システムに係る調査研究)に関する報告書〔LPガス配管内圧力等の測定・点検システムに係る調査研究〕
報告書概要
この報告は、LPガス配管内圧力等の測定・点検システムの効率化について書かれた報告書である。現在、LPガス設備の保安業務では燃焼器入口圧力等の測定が義務付けられているが、消費者不在時には実施困難であり、作業効率向上が課題となっている。本調査研究では、既設のマイコンメータに内蔵された圧力センサと流量センサを活用し、自動的に圧力等を測定・記録するシステムの開発を目的とした。具体的には、マイコンメータから通信機能により圧力・流量データを取得し、時系列保存する自動点検記録システムを試作した。また、モデル配管設備を用いて配管内圧力の計測調査を実施し、配管径・ガス流量・圧力損失等の条件による影響を分析した。圧力損失解析では、計測値と高圧ガス保安協会基準による計算値との比較検証を行い、計算による圧力損失算出の妥当性を確認した。システム評価では、実際のLPガス設備での性能評価を実施し、調整圧力・閉塞圧力の確認が可能であることを確認した。燃焼器入口圧力については、配管図面を基に計算した圧力損失を調整圧力から減じて求める方法を検証した。データ記録機能は99.99%の精度を達成し、通信タイミングは最短4秒周期での記録が可能であった。さらに、検証結果を基に例示基準の改正案を提案した。今後の課題として、製品化に向けた電池容量の最適設計や操作性向上が挙げられる。本システムにより、消費者不在時でも点検作業が可能となり、保安業務の効率化と保安レベルの維持向上が期待される。
