令和2年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費(LPガス保安規制に関する調査検討事業)に関する報告書
報告書概要
この報告は、LPガス保安規制に関する調査検討事業について書かれた報告書である。平成8年の液石法改正から20年以上が経過し、少子高齢化や過疎化といった社会構造の変化により、LPガス業界は販売事業者・保安機関数の減少、人手不足、事業効率の低下等の課題に直面している。一方でIoT技術の進歩により、LPWA通信や超音波式マイコンメータなど新技術を活用した安全性向上の可能性が期待されている。
本調査では、質量販売における技術基準の見直し、供給困難地域での保安業務体制確保、自治体権限関係の整理を実施した。質量販売は体積販売と同等の使用方法であるにも関わらず技術基準の整合が図られておらず、また離島・過疎地では30分以内の緊急時対応体制確保が困難となっている状況が明らかになった。
さらに、25年以上使用されている現行マイコンメータの高度化・合理化を目指し、新型マイコンメータの仕様検討を行った。漏洩の早期遮断・早期通知機能、定期点検調査の省力化等を実現する新技術の活用により、保安規制の効率化が期待される。また現行マイコンメータを活用した保安業務の運用マニュアルも策定し、圧力測定機能や漏えい検知機能を用いた合理的な点検調査手法を提示した。これらの成果により、LPガス事故の低減と保安規制の高度化・合理化が図られることが期待される。