令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(制度ナビの運用改善事業)2021年度以降の運用事務局フローの改善提案にかかる調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が運営する中小企業支援制度検索サービス「制度ナビ」の運用事務局体制改善について書かれた報告書である。
2011年東日本大震災以降、自然災害や新型コロナウイルス感染拡大により中小企業が深刻な被害を受ける中、中小企業庁は支援施策の活用促進を目的として総合ポータルサイト「ミラサポplus」を運営している。制度ナビはその中核サービスとして国や都道府県の支援制度情報を一括検索・閲覧できる機能を提供しているが、現状では検索性を高めるタグの設定不備、情報入力の誤り、データの更新遅れなど運用上の課題が散見される状況にある。
本調査では運用事務局の業務フローとして、新規ID発行フロー、ログイン関連問合せフロー、操作方法関連問合せフローの三つを実際に運用し、その過程で得られた改善点を整理した。新規ID発行については当初個別対応していたものを統一フォーマットによる一括処理に変更し、ログイン関連では職員異動に伴う新任者からの問合せ増加への対応が必要となった。操作方法については基本的なブラウザ操作からCSVインポートまで幅広い問合せに対応する必要があることが判明した。
2021年度以降の改善提案として、運用事務局業務の効率化、FAQ機能の充実、システム改修による利便性向上などが提言されている。特に制度情報のID管理については、年度を跨ぐ際に同一制度でもIDが変更される問題があり、データ連携や検索性の観点から統一的なID規則の整備が急務であるとされている。今後のベースレジストリ戦略において制度ナビが重要な位置を占めることを踏まえ、全国共通制度の重複登録防止や基礎自治体を含めた制度情報一元化に向けた体制強化が必要であると結論付けられている。
