令和2年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(福井県若狭地域間連携による地域活性化支援事業)報告書
報告書概要
この報告は、原子力発電施設等立地地域における観光振興と再生可能エネルギー活用を通じた地域活性化について書かれた報告書である。福井県若狭地域(美浜町、若狭町、小浜市、おおい町、高浜町)において、2024年の北陸新幹線敦賀駅延伸を契機として、ワーケーションの推進と再生可能エネルギーの導入により交流人口の増加と地域経済の活性化を目指すことを目的としている。若狭地域は三方五湖や瓜割の滝などの美しい自然景観、歴史ある街並み、文化資源に恵まれており、舞鶴若狭自動車道の全線開通により県外観光客が増加している。しかし、高齢化と人口減少に直面しており、新たな観光振興策が求められている。福井県では嶺南Eコースト計画を策定し、原子力と再生可能エネルギーを活用した地域経済活性化と環境配慮型まちづくりを推進している。コロナ禍により働き方や観光行動が変化する中、テレワークと休暇を組み合わせたワーケーションが注目されており、これを新たな地域振興策として位置づけている。調査では自治体と事業者に対してヒアリングとアンケートを実施し、ワーケーション推進における課題として執務環境、通信環境、宿泊施設、移動手段の整備が挙げられた。また、先進地事例として鳥取県の取組や、再生可能エネルギーを活用した観光振興事例を調査し、地域の目指すべき姿を明確化するための勉強会を開催した。これらの取組を通じて、若狭地域の持続的発展と地域活性化の実現を図ろうとしている。
