令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(落雷対策・定期安全管理審査制度のレビュー)報告書

掲載日: 2021年8月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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報告書概要

この報告書は、風力発電設備における落雷対策と定期安全管理審査制度について包括的な調査・検討を行った報告書である。本調査は2018年2月の本荘港風力発電所でのブレード折損事故を受け、落雷対策の実態把握と今後のあり方検討を目的として実施された。また、2017年4月から導入された定期安全管理審査制度が審査期限を迎えることを踏まえ、制度全体のレビューも併せて行われた。調査方法として全国233事業所を対象としたアンケート調査、風車メーカーやメンテナンス事業者等に対するヒアリング調査、文献調査を実施し、7名の有識者による委員会で議論が行われた。定期安全管理検査制度については、多様なプレイヤーの特徴を考慮した制度体系の検討、事業者の検査負荷低減、新技術を活用した柔軟な点検の実現、インセンティブ制度のあり方見直しが必要であることが示された。落雷対策については、発電用風力設備の技術基準の解釈における落雷マップの更新案を作成し、冬季雷地域の検証継続が必要との結論に至った。さらに、落雷検出装置の適切な運用方法の周知、技術開発ロードマップの策定を通じて、高度化技術開発から人材育成、制度設計まで総合的な対策強化が提案された。これらの検討結果により、風力発電事業者の保安力向上と落雷対策推進が期待される。