令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業委託調査(洋上風力着床式・浮体式に関する技術基準と審査方法に関する調査)調査報告書

掲載日: 2021年8月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業委託調査(洋上風力着床式・浮体式に関する技術基準と審査方法に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、洋上風力発電設備の電気事業法上の工事計画届出における技術基準適合性審査について書かれた報告書である。

風力発電設備の陸上設置場所が減少し洋上への展開が増加する中、洋上風力発電設備については経済産業省の審査事例が少ないため、産業保安監督部が自ら審査できる範囲が明確化されていない課題があった。本事業では、洋上風力発電設備等に関する技術基準の統一的解説とこれまでの審査内容を踏まえ、産業保安監督部向けの審査マニュアル及びチェックリストを作成した。また、有識者検討会を設置し、海底送電ケーブルの洗掘防止工、タワーと下部構造の接合部におけるグラウト材設計、及びタワー・下部構造の腐食に関する審査基準について検討を実施した。

検討の結果、港湾区域における海底ケーブル埋設については通過船舶重量をベースとした埋設深の検討により専門家会議を経ずに審査できる可能性が確認された。一方、一般海域における海底ケーブル取扱いやモノパイル工法における洗掘防止工設計については、関係者との調整や事例蓄積が必要で専門家会議による審査が当面必要とされた。さらに、洋上風況観測方法、海底地盤調査方法、浮体式洋上風力発電設備用ダイナミックケーブルの技術基準、材料審査基準、定期事業者検査方法について今後の検討方針とロードマップを提言した。これらの項目については、NEDO等の関連プロジェクトの成果や沿岸技術研究センターでの検討状況を踏まえながら段階的に技術基準の整備を進める必要があるとされた。