令和2年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業インドネシア国・日本企業のスマートシティ実証ショーケース構築可能性調査事業報告書

掲載日: 2021年8月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局通商金融課
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令和2年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業インドネシア国・日本企業のスマートシティ実証ショーケース構築可能性調査事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、インドネシア・デルタマスにおける日本企業のスマートシティ実証ショーケース構築について書かれた報告書である。インドネシア政府は2017年から「100 Smart City」計画を進めており、546市・郡のうち100市・郡をスマートシティ化する計画を推進している。しかし、マネタイズ方法が課題となっており、実証から社会実装までの壁として事業モデルの不明確性やユーザーの利用意欲の低さが指摘されている。デルタマス・シティは、ジャカルタ首都圏に位置する新興都市開発地域であり、既存の社会インフラ整備段階から先進技術導入が可能である優位性を持つ。本調査では、モビリティ、住環境(空調・EC)、セキュリティ、ICT・産学連携の各分野において整備計画を検討した。モビリティ分野では物流オペレーション自動化やカーシェアリングサービス、住環境分野では室内空調最適化やデルタマスポータルサイト活用、セキュリティ分野では顔認証技術を活用した登下校監視システムなどの実証テーマが提案されている。また、水素エネルギーを活用したスマートエネルギー分野での産学連携可能性についても検討が行われ、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所や国立バンドン工科大学との連携機会が示されている。実証ショーケース構築に向けては、段階的な都市OS整備とデータ利活用サービスの展開が必要であり、通信インフラ整備やデータセンター構築も重要な要素となる。今後の取組として、スマートシティ開発特区(サンドボックス制度)の導入提案が示されており、各分野の規制緩和要望も含めた包括的な開発戦略が提示されている。