令和2年度産業技術調査事業(大学発ベンチャーの実態調査分析及びデータベースの構築)報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度に実施された大学発ベンチャーの実態調査分析及びデータベース構築について書かれた報告書である。
大学発ベンチャーは平成26年度以降5年連続で企業数が増加し、イノベーションの担い手として期待されている。これらの企業が研究成果を事業化し成長を加速するため、過去の調査データを活用した施策の検討と、企業・投資家・大学等を繋ぐ仕組みの構築が重要となっている。
調査では既存データベースに収録された約2,800社を対象に、大学発ベンチャーの実態分析を実施した。設立経過年数ごとの分析では、企業は設立後5~6年でPoC(概念実証)を開始し、6~7年でサービスインする傾向が確認された。設立10年以内の企業はIPOを目指すケースが多く、3~5年の企業にはM&A志向も見られた。また、6年~10年の企業では関係企業を通じた販路紹介が最も有効な顧客開拓手段とされ、事業ステージが進むにつれてマーケティング・販売担当マネジャーや財務・経理担当マネジャーの強化ニーズが高まることが判明した。
これらの分析結果を踏まえ、経済産業省内環境で運用可能な新しいデータベースシステムと専用ウェブページを構築した。新システムは静的な表現による公表機能と、個社情報の検索・表示機能を備えている。また、継続的な更新が可能となるよう、担当者向けの更新マニュアルも整備された。さらに、データの表記揺れ対策として、企業名・郵便番号・電話番号・大学名等の統一的な入力形式を定めることで、検索機能の精度向上を図った。
