令和2年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業高圧ガス保安に係る法定講習の実施方法の在り方について 報告書
報告書概要
この報告は、高圧ガス保安に係る法定講習の実施方法について検討した経済産業省委託事業の報告書である。令和2年度に新型コロナウイルス感染症の拡大により、従来の集合型講習の実施が困難となったことを背景として、非集合型教育の導入可能性について調査研究を行った。
報告書では、他法令における法定講習の実施状況調査を通じて、オンライン講習や自宅学習形式などの非集合型教育の実態を把握し、高圧ガス保安法における法定講習への適用可能性を検討している。調査対象には電気工事士定期講習、消防設備士講習、ガス主任技術者講習などの先行事例が含まれ、それらの実施方法、本人確認技術、教育効果などが詳細に分析されている。
非集合型教育による法定講習のあり方について、集合型教育との併用実施における具体的な実施内容、法定講習に必要な知識・技能とその教育時間の再検討、講習実施機関による受講者本人の確認方法の三つの観点から検討を実施した。特に本人確認については、LMS(学習管理システム)、AR・VR技術、撮影機材、CBT・IBT試験システム、Web会議システム等の最新技術を活用した手法を調査し、その有効性と課題を整理している。
教材開発においては、非集合型教育に適した基本仕様を策定し、丙種化学特別講習と保安係員講習を例として具体的な教材を作成した。視覚的理解を促進するためのアニメーション、現場写真の活用、イラストによる視覚化などの手法を取り入れ、オンライン配信に最適化された教材設計を行っている。委員会では学識者、講習実施機関、民間講習機関、eラーニング業界団体等の専門家により、実用性と保安レベル維持の両立を図る観点から議論が重ねられた。
