令和2年度インバウンド需要の回復を見据えた支援方策の検討調査事業報告書

掲載日: 2021年9月17日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局通商部投資交流促進課
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報告書概要

この報告は、新型コロナウイルス感染症拡大によるインバウンド需要の激減を受け、ポストコロナを見据えたインバウンド需要回復のための支援方策を検討した調査報告書である。近畿経済産業局の委託事業として、DMO(観光地域づくり法人)及び自治体の実態把握と課題分析を通じて、関西地域が一体となった持続可能な支援策を提案している。

調査は有識者による検討委員会の開催、DMO及び自治体向けアンケート調査、先進事例のヒアリング調査、文献調査により実施された。日本のインバウンド需要は2019年に3千万人を超えていたが、2020年には411万人まで激減し、観光産業に甚大な影響を与えた。コロナ以前から旅行形態は団体旅行から個人旅行へシフトしており、デジタルマーケティングの重要性が高まっていた。

調査結果から、デジタル技術活用においてはVR・AR・MRなどの先端技術を活用したバーチャル工場見学や、SNS・オウンドメディアでのプロモーション、安心・安全・安堵を担保する受け入れ環境整備の必要性が明らかとなった。地域資源活用では、地域産品、産業施設、オープンファクトリーなどを観光コンテンツとして活用する取り組みが重要とされた。

DMOが抱える主要課題として、デジタルマーケティングのスキル不足、人材確保の困難、地域事業者との連携不足、デジタル技術サプライヤーとのマッチング不備などが挙げられた。また、地域の認知度不足、魅力的な観光コンテンツの欠如、多言語対応やキャッシュレス決済への対応遅れ、旅行後のフォロー不足なども課題として特定された。

支援策として、インバウンド客の旅マエ・旅ナカ・旅アトの行動プロセスを意識したデジタルマーケティング支援、オウンドメディアの充実とアクセス解析の内製化、地域資源の活用と発信強化が提案された。2025年大阪・関西万博を見据えた取り組みとして、万博と関連付けたプロモーションやコンテンツ開発の重要性も指摘されている。