令和2年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)事業化支援事業(オープンイノベーション促進事業)実施報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度戦略的基盤技術高度化支援事業におけるオープンイノベーション促進について書かれた報告書である。公益財団法人北海道科学技術総合振興センターが主体となって実施した本事業は、北海道内の中小企業・スタートアップ企業の研究開発成果の事業化促進を目的とし、オープンイノベーションをキーワードとした取り組みを推進した。事業の背景として、日本企業におけるオープンイノベーションの実施率が欧米企業と比較して低い傾向にあることが挙げられ、特に北海道では事業所数・製造品出荷額の減少により現状打開が求められていた。また、新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響も考慮し、新たなアプローチや事業連携方法の必要性が認識された。本事業は三つの主要な取り組みから構成されている。第一に、オープンイノベーションによるビジネスマッチング事業として、課題を抱える大手企業と革新的技術を有する中小企業・スタートアップ企業との間で「オープンイノベーションチャレンジピッチ」を開催し、個別面談による具体的な連携機会を創出した。第二に、ビジネスプラン段階におけるメンター支援の効果検証事業として、専門家による指導を通じてサポイン活用候補者等の事業計画をブラッシュアップし、事業化可能性の向上を図った。第三に、支援機関等のネットワーキングを通じたオープンイノベーション推進体制の強化として、シンポジウムやセミナーを開催し、支援機関や金融機関のオープンイノベーション実践能力の向上を目指した。これらの取り組みを通じて道内企業の稼ぐ力を強化し、北海道経済の持続的発展を実現することを最終的な目標としている。
