令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業委託調査(太陽電池発電設備技術基準検討及び小出力発電設備における事故報告制度改正に関する調査)報告書

掲載日: 2021年10月8日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業委託調査(太陽電池発電設備技術基準検討及び小出力発電設備における事故報告制度改正に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、太陽電池発電設備の保安規制高度化及び小出力発電設備における事故報告制度改正について書かれた報告書である。経済産業省商務情報政策局産業保安グループ電力安全課からの委託により、SOMPOリスクマネジメント株式会社が令和2年度に実施した調査研究の成果をまとめたものとなっている。

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、太陽電池発電設備の累積導入量は2020年9月末時点で4,603.1万kWに達し、設置形態も住宅屋根設置型から地上設置型、追尾型、水上設置型へと多様化している。これらの設備において台風等の自然災害による事故が頻発し、公衆安全の観点から設備被害の低減が重要課題となっている。

本事業では、前年度に作成した太陽電池発電設備に関する技術基準省令案の骨子を基に、具体的な技術要件を検討し「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令案」を作成した。また技術基準の解釈及び解釈の解説案も併せて検討し、現行の電気設備の技術基準の解釈第46条を参考として修正案を作成している。

設置形態別の技術基準策定に向けて、事故が多数報告されている自動追尾型設備及び単管架台に関する実態調査を実施した。追尾型設備については製品タイプの整理やメーカーヒアリング、国内事故事例の分析を行い、単管架台については仮設材料の調査や業界団体へのヒアリングを実施している。

太陽電池発電設備の支持物について、高圧設備を含む現地調査を実施し、技術基準への適合性を確認した。調査対象となった全ての施設において技術基準に対する適合性が確認できない結果となった。さらに構造計算の確認用ソフトウェアを作成し、支持物の安定構造または不安定構造を簡易的に判定できるシステムを開発している。

電気事業法に基づく事故報告制度が令和3年4月から改正され、出力50kW未満の太陽電池発電設備も新たに事故報告の対象となることから、効果的な周知手法について検討を行った。ポスター、チラシ、パンフレットを作成し、100箇所の関係機関に配布してアンケート調査により周知効果を評価している。周知効果は認められたものの、より広範囲への浸透には継続的な活動とメール、ホームページ、SNS等の多様な媒体活用が必要であると結論付けている。