令和2年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(新エネルギー技術等の安全な普及のための高圧ガス技術基準策定)(1) 燃料電池自動車等に関する水素関連技術の安全性の評価・基準の検討(2) 水素スタンド立地地方自治体における審査業務等の執行状況調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度における新エネルギー等の保安規制高度化事業として、燃料電池自動車等に関する水素関連技術の安全性評価と基準検討について書かれた報告書である。本事業は高圧ガス保安協会が実施主体となり、水素社会の実現に向けた規制改革実施計画に基づく水素スタンド・燃料電池自動車関連の規制見直し項目について技術的検討を行った。検討委員会は東京大学の吉川暢宏教授を委員長とし、大学研究者、業界団体関係者、地方自治体担当者等で構成され、12項目の規制見直し事項を対象とした。主要な検討項目として、保安監督者に関する見直し、水素スタンド設備の遠隔監視による無人運転の許容、水素出荷設備に係る保安統括者等の選任緩和、一般家庭等における水素充填の可能化、水素スタンド設備の技術基準見直し、遠隔監視による高圧ガス製造設備の保安業務推進、蓄圧器等の常用圧力上限値見直し、障壁に係る技術基準見直し、充填容器等の温度管理、設備故障・修理時の予備品使用手続き合理化、遠隔監視水素スタンドの保安監督者兼任、FC電源車に係る課題検討が含まれた。検討結果では2項目が措置済みまたは見通しがあり、8項目について今後の継続検討が必要とされ、1項目は検討終了となった。安全性確保を前提として、事業者ニーズに応じたより合理的な規制制度への見直しを目指し、国際的な規制制度との調和も勘案した技術基準策定のための検討が行われ、新エネルギーシステムの安全な実用化推進に寄与することを目的としている。
