令和2年度中小企業関係租税特別措置の効果に関する調査研究報告書

掲載日: 2021年10月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部財務課
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報告書概要

この報告は、令和2年度中小企業関係租税特別措置の効果について書かれた報告書である。株式会社東京商工リサーチが2021年2月に実施した調査研究であり、中小企業の租税特別措置の利用実態と政策効果を定量的に検証することを目的としている。調査は法人企業18,000社と個人事業主2,000者を対象とした郵送アンケートと、中小企業のM&Aに関する別途調査を実施し、法人企業から3,255件、個人事業主から152件の回答を得た。

法人向け調査では設備投資に関する基本方針、法人税軽減税率、設備投資関連税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制、事業承継税制、M&A、固定資産税減免、印紙税について詳細に調査している。設備投資の主目的は老朽化対応が51.5%と最も高く、生産量・販売力強化が21.2%、合理化・省力化が13.1%と続いている。設備投資決定の主要因は設備の老朽化が59.2%、経営方針が22.2%となっており、一方で先行き不安や資金繰りが投資の阻害要因として挙げられている。

個人事業主向け調査では設備投資関連税制、青色申告特別控除、事業承継、資産保有状況、税務手続きの事務負担などを調査項目としている。さらに定量分析として、法人税軽減税率による中小企業の財務基盤安定効果と、設備投資関連税制による投資促進効果について企業データに基づく計量経済分析を実施している。この調査結果は、中小企業向け税制の効果測定と今後の制度設計に重要な基礎資料を提供するものである。