令和2年度化学物質安全対策(インベントリ関連調査)報告書
報告書概要
この報告は、日本の代替フロン等4ガス(HFCs、PFCs、SF6、NF3)の2019年温室効果ガス排出量インベントリの集計と、業務用空調機器における冷媒転換について検討した報告書である。
報告書では、気候変動枠組条約事務局への提出義務である温室効果ガス排出量のうち、代替フロン等4ガスの2019年インベントリを集計し、IPCCガイドラインに準拠した適切な推計方法を用いて分析した。調査は9分野25業種にわたって実施され、HFC等製造、発泡・断熱材、エアゾール等、冷凍空調機器、洗浄剤・溶剤等、半導体等製造、電気絶縁ガス使用機器、金属製品、その他の各分野について、Excelによる調査シートを作成し排出量の集計と推計を行った。
また、排出量が大きいビルマルチエアコンにおける冷媒転換について、有識者や専門家、関係業界団体、行政機関等の委員による検討会を2回実施し、今後の冷媒転換方針について検討を行った。この検討会の結果は産業構造審議会でも報告され、フロン類の使用合理化と管理適正化に関する法律に基づく包括的対策の一環として位置づけられている。
調査結果として、1995年から2019年までの代替フロン等4ガスの推計排出量の推移が示され、各分野における排出動向とマテリアルフローの把握が行われた。これらの基礎データは、フロン類対策における重要な指標として活用される。
