令和2年度産業経済研究委託事業(長期の時間軸を実装した経営と投資家との対話の在り方及び新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業情報開示に関する調査研究)
報告書概要
この報告は、海外企業の情報開示事例調査および国内企業のアンケート・ヒアリング調査について書かれた報告書である。調査対象として、Clorox、Unilever、SAP、NEDBANK、Novo Nordisk、United Utilities、Royal Dutch Shell、Philipsの8社を選定し、一般消費財・サービス、情報技術、金融、製薬、公共事業、エネルギー、医療機器の各業種にわたって幅広く分析を行った。これらの企業は北米、欧州、アフリカなど世界各地に展開する多国籍企業であり、売上高や従業員数の規模も多様である。調査方法としては、各企業の統合報告書、年次報告書、サステナビリティレポート、企業サイトなどの開示資料を収集し、詳細な分析を実施した。さらに調査対象15社のうち6社に対して、CFOやIR部長など情報開示の責任者経験者へのヒアリングを60分間実施し、レポート作成にあたり参考にしている基準・ガイダンス、社内体制およびスケジュール、想定利用者、開示における重点ポイントや課題、投資家からの反応、非財務情報への注目度、監査の必要性、COVID-19を踏まえた経営戦略の変化などについて詳細な聞き取りを行った。これらの調査結果を通じて、海外企業における情報開示の実態と課題を明らかにし、国内企業の今後の開示戦略への示唆を提供することを目的としている。
