令和2年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業諸外国及び国内におけるクレジットカード等に関する規制調査 調査報告書

掲載日: 2021年11月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務サービスグループ商取引監督課
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令和2年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業諸外国及び国内におけるクレジットカード等に関する規制調査 調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、決済テクノロジーの進化に伴うクレジットカード等規制の在り方について書かれた報告書である。ICTの進展によりFinTech企業や異業種からの決済分野への参入が拡大し、従来のクレジットカードサービスとは異なる少額・低リスクサービスが登場している。一方で不正利用や無権限取引からの利用者保護問題も生じており、消費者保護を適切に確保するための規制枠組みやペイメント事業の実態調査が求められている。

国際的議論では、IMFがFinTechの進展に伴い規制アプローチの変化が必要であるとし、エンティティベースからアクティビティベースへの移行を提唱している。ペイメントサービスを口座発行、電子マネー発行、国内送金、国際送金、加盟店アクワイアリング、デジタル決済トークンの6つに分類し、大規模テック企業もこれらサービスに該当するとしている。規制枠組みの近代化には4つのステップが示されており、ペイメントサービス活動の特定、事業者認可と指定制度、リスク分析と管理、法的確実性の促進が含まれる。

シンガポールの事例では、ペイメントサービス法と銀行法により包括的な規制体系が構築されている。ペイメントサービス法では7つの活動を規制対象とし、リスクに応じた3段階の認可制度を採用している。銀行法ではクレジットカード・チャージカード事業を規制し、加盟店審査や情報提供義務等の厳格な要件を設けている。ただし小売店等が発行する限定目的カードについては中小企業の負担軽減とリスクの低さを理由に規制対象外としている。