令和2年度ウズベキスタン共和国における石炭ガス化複合発電(IGCC)案件形成実施可能性調査事業 調査報告書 (公開用・英語)
報告書概要
この報告は、ウズベキスタン共和国におけるIGCC(石炭ガス化複合発電)導入に関する実行可能性調査について書かれた報告書である。同国は安定した経済成長と人口増加により電力需要が高まっており、現在はピーク時の電力不足を近隣諸国からの輸入で補っている状況である。また、旧ソ連時代に設置された老朽化した発電設備の更新も急務となっている。さらに、同国の総発電量の80%以上を占める火力発電は天然ガスに大きく依存しており、エネルギーミックスの観点から電力供給システムの信頼性に潜在的リスクを抱えている。このような状況下で、ウズベキスタン政府は水力、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの活用を検討する一方、国内石炭資源を活用し環境負荷を最小限に抑える技術への継続的な需要があり、日本の最先端IGCC技術の導入を計画している。本調査は三菱商事と三菱パワーが経済産業省から委託を受け、エネルギー省やJSC火力発電所からの正式要請に基づき実施された。調査では燃料特性の調査、給水条件の供給状況、新設設備の仕様と数量の明確化が行われ、技術的、環境的、経済的効果が確認された。特に高効率IGCC発電所の使用により年間31万7千トンの二酸化炭素削減効果が期待され、電力コストも地域平均料金を下回ることが確認された。この結果、ウズベキスタンにおけるIGCC技術導入の妥当性と有効性が実証された。
