令和2年度産業標準化推進事業 戦略的国際標準化加速事業:ルール形成戦略に係る調査研究 ロボットフレンドリーな環境の実現に関するルール形成戦略の構築に係る調査報告書
報告書概要
この報告は、ロボットフレンドリーな環境の実現に関するルール形成戦略について書かれた報告書である。令和2年度産業標準化推進事業の一環として、一般財団法人日本品質保証機構が実施した調査研究の成果をまとめたものである。
報告書では、ロボット実装モデル構築推進タスクフォース活動成果に関わる国内外の標準化動向を調査し、標準化を進めるためのルール形成戦略と基礎情報を収集している。調査対象は施設管理、小売り・飲食、食品、施設の物理特性の4分野であり、それぞれについて技術開発動向、標準化動向、規制に関する調査を実施した。
施設管理分野では、COVID-19の影響によりエレベータを利用した自律移動ロボットによる物品配送技術の開発が進展している。ロボット・エレベータの通信方式については、Wi-SUNやBluetooth等の既存技術が活用されており、日本では実証実験が盛んに行われている。海外では米国や中国においてホテルや病院への導入が進んでいる状況である。
小売り分野では陳列・在庫管理・決済の自動化技術、食品分野では惣菜の盛り付けやロボット認識に適した容器形状、食品工場への導入時の衛生管理などが調査対象となっている。施設の物理特性については、床材、通路幅、照度などロボットの動作環境に関わる要素が検討されている。
また、加工食品物流の持続可能性についても言及されており、従来の企業間競争領域から協調領域への転換が必要であるとしている。トラックドライバーの高齢化や労働力不足といった環境変化に対応するため、納品伝票、外装表示、パレット・外装サイズ、コード体系の4つの標準化項目が特定されている。