令和2年度コンテンツ海外展開促進事業映画制作現場の適正化に関する調査報告書

掲載日: 2022年2月3日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局コンテンツ産業課
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報告書概要

この報告は、映画制作現場の適正化について書かれた報告書である。経済産業省委託事業として令和2年度に実施された調査に基づき、日本の映画産業が直面する構造的課題を分析し、解決策を提示している。

日本の映画産業は国内市場の頭打ちと製作費低迷により、制作現場の就業環境が悪化し、その結果コンテンツの質が低下するという悪循環に陥っている。一方で、動画配信プラットフォーマーの台頭により海外市場への進出機会が生まれ、働き方改革の推進も制作現場の質向上につながる好機となっている。

2019年に実施された映画制作現場実態調査では、工程管理、取引環境、就業環境、現場スタッフ育成、ビジネス環境などフリーランスの取引・就業環境を中心とした様々な課題が明らかになった。これを受けて映画制作の未来のための検討会が設置され、制作現場の環境整備について詳細な検討が行われた。

本事業では、設立準備委員会と3つのワーキンググループを設置し、制度設計、認定基準策定、人材育成等について集中的に議論を実施した。制度設計ワーキンググループでは認定のインセンティブ設計や第三者機関のあり方について検討され、認定基準策定ワーキンググループでは制作スタッフの働き方や契約関係の適正化について議論された。人材育成等ワーキンググループでは、マーケットとの関係や就業環境の改善について検討が進められた。

検討の結果、映像制作適正化機関を設置し、適正な映画制作現場の整備のための作品認定制度を創設することが合意された。この制度は事前申請と事後審査による認定プロセスを設け、認定を受けた作品には認定マークと認定番号が付与される仕組みとなっている。また、相談窓口の設置や調査機能も備え、制作現場の適正化を総合的に推進する体制が構築されることとなった。