令和2年度新エネルギー等の導入促進のための広報等事業(洋上風力発電導入拡大に向けた広報事業)報告書
報告書概要
この報告は、洋上風力発電導入拡大に向けた地元理解醸成について書かれた報告書である。経済産業省資源エネルギー庁の委託により、PwCアドバイザリー合同会社が令和2年度に実施した広報事業の成果をまとめている。海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の施行を受け、洋上風力発電を主力電源化するため、漁業関係者をはじめとする地元関係者の理解促進と醸成が不可欠であることから本事業が実施された。
報告書では、洋上風力発電に係る地元理解醸成のための説明会実施と、地元関係者の理解醸成のために必要な広報資料作成の二つの主要業務について述べている。説明会実施では、外海に面する全国546自治体を対象としたアンケート調査を実施し、393自治体から回答を得た。そのうち洋上風力発電を導入したい、または関心があると回答した都道府県は20件、市町村は79件であった。また全国及び個別自治体を対象とした説明会を開催し、洋上風力発電事業の意義と概要、事業化過程、地元理解醸成の重要ポイントについて説明を行った。
広報資料作成では、国内外の先進事例調査とヒアリングを実施し、理解醸成に係る重要なポイントを抽出した。その結果、地元関係者の理解度に応じた事業説明、仲介者・仲介機関の協力、事業者の適切な対応、地元からの情報提供、意思決定プロセスの明確化という5つの重要な要素を明らかにした。これらの前提として、地域の実情に応じた地元関係者と事業者の丁寧な対話、国からの継続的な洋上風力発電導入の意義に係る国民への情報発信が求められることが確認された。最終的に自治体向け、漁業者等の先行利用者向け、一般国民向けの3種類の広報資料を作成し、洋上風力発電の導入拡大に向けた地元理解醸成の促進を図った。
