令和2年度産業経済研究委託事業(諸外国における託送料金制度の詳細設計及び需給調整市場等における価格規律と監視等に係る調査事業)調査報告書

掲載日: 2022年2月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 電力・ガス取引監視等委員会事務局ネットワーク事業監視課
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令和2年度産業経済研究委託事業(諸外国における託送料金制度の詳細設計及び需給調整市場等における価格規律と監視等に係る調査事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、諸外国における託送料金制度の詳細設計及び需給調整市場等における価格規律と監視等に係る調査について書かれた報告書である。欧州各国では電力送配電事業者の効率性評価に統計的手法を用いており、英国では回帰分析、ドイツとノルウェーではDEA分析やSFA分析を採用している。英国のTO・DNOは事業者数が少ないため回帰分析が適用され、ドイツでは185社のDSO、ノルウェーでは115社のDSOに対してDEA分析が実施されている。これらの分析結果は効率スコアとして算出され、認可収入上限の設定に反映される仕組みとなっている。需給調整市場における価格規律については、各国の規制機関が市場監視を行い、調整力の価格設定方法や確保の考え方を定めている。欧州では送配電部門の分離が進んでおり、情報遮断の方法や監視方法についても詳細な制度が整備されている。また、再生可能エネルギー電気の表示制度については、欧州、ドイツ、英国、米国でそれぞれ異なる制度やルールが存在している。欧州ではGO(Guarantee of Origin)制度が、米国ではRECs(Renewable Energy Certificates)制度が主要な認証システムとして機能している。これらの制度は、再エネ電気の環境価値を適切に表示し、需要家の選択を促進する重要な役割を果たしている。各国の規制機関は、電力市場の競争促進と供給信頼性の確保を両立させるため、継続的な制度改善に取り組んでいる状況である。