令和2年度固定価格買取制度等の効率的・安定的な運用のための業務(再生可能エネルギー発電設備の設置に関する条例の制定状況等の確認に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する条例の制定状況について書かれた報告書である。
平成24年に固定価格買取制度が開始されて以降、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー発電設備の導入が急速に拡大した一方で、未稼働案件の発生や各地域でのトラブル事例の増加といった課題が生じている。平成29年4月に施行された改正FIT法では、再生可能エネルギー発電事業の円滑かつ確実な実施を図るため、自治体が定めた条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定めている。
本調査では、全国1,788団体の自治体を対象として、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する条例等の制定状況について包括的なアンケート調査を実施し、1,559団体から回答を得た。調査対象となる条例等は、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する専用条例、関連条例、その他の要領や指針の3つに区分して整理している。
調査結果からは、全国の自治体における条例等の制定状況、制定している条例等の種別や対象エネルギーの種類、条例の制定目的や内容構成、特徴的な規定などが明らかになった。また、条例制定の経緯や効果、地域住民等から発生する苦情やトラブルの状況についても詳細に分析している。さらに、特徴的な条例等の事例についてヒアリング調査を実施し、具体的な取り組み内容を整理している。
加えて、再生可能エネルギー発電設備設置事業に関するトラブル事例についても調査を行い、現在トラブルとなっている事例、既に解消に至った事例、訴訟となった事案の概要と判例について分析を実施している。これらの調査結果を通じて、適正な再生可能エネルギー発電設備の設置・事業化に向けた課題と提言をまとめ、今後条例の改正・制定等を検討している自治体が活用できる基礎資料として提供することを目的としている。
