令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(法人共通認証基盤の運用・保守に関する実証・調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業における法人共通認証基盤(GビズID)の運用・保守に関する実証・調査事業について書かれた報告書である。デジタル・ガバメント推進の一環として、法人が電子的な行政手続を1つのアカウントで行うための認証システムであるGビズIDの構築・運用状況を詳細に報告している。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により申請件数が急増し、年間累計で約38万件の申請を処理した。審査業務の効率化を図るため、OCR審査システムを導入し、自動化による処理能力向上を実現している。ヘルプデスクには年間約19万件の電話問い合わせがあり、アカウント新規作成や申請方法に関する問い合わせが多数を占めた。申請書類の不備率は約4%であり、チェックシートの導入により改善を図っているが、依然として公的書類との相違や添付漏れなどの課題が存在する。技術面では、認証基盤は安定稼働を維持し、システム停止時間は0時間を達成している。接続サービス数は28RPに拡大し、経済産業省関連が86%を占めるものの、他省庁や地方公共団体への展開も進んでいる。今後の課題として、アカウント数の増加に対応するための性能改善、冗長構成の整備、有事対応体制の強化、アーカイブ機能の導入などが挙げられている。外部サービスとの連携については、導入の容易さがある一方で、外部要因による影響のリスクも指摘されている。
