令和2年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(日中省エネルギー等・環境ビジネス推進事業)報告書

掲載日: 2022年3月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課国際室
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令和2年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(日中省エネルギー等・環境ビジネス推進事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和2年度の日中省エネルギー等・環境ビジネス推進事業について書かれた報告書である。中国は2020年に新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも世界で唯一プラスの経済成長を達成し、省エネルギー・環境政策においても重要な進展を遂げた。2020年9月には習近平国家主席が2060年カーボンニュートラル目標を宣言し、12月には2030年の新たな削減目標を発表するなど、脱炭素社会実現に向けた政策転換が加速している。

第14回日中省エネルギー・環境総合フォーラムは、新型コロナウイルス感染症の影響により初めてオンライン形式で開催され、北京と東京の会場を接続して実施された。フォーラムでは脱炭素に向けたエネルギー協力をテーマとし、循環経済、大気汚染対策、水環境・土壌汚染対策、水素・クリーン電力など6つの分科会が設けられ、日中協力モデルプロジェクト14件が採択された。これらのプロジェクトは従来の省エネルギー分野に加え、カーボンニュートラル実現に向けた新技術分野での協力が目立っている。

中国の省エネルギー・環境政策は2020年も着実に進展し、GDP当たりのエネルギー消費原単位は2.6%減少、非化石エネルギー消費量の割合は15.3%に達するなど、第13次五カ年計画の目標達成に向けて順調な成果を示している。大気汚染対策ではPM2.5濃度の継続的改善、水質汚染対策では地表水の水質基準達成割合の向上など、環境改善効果が確認されている。

今後の課題としては、中国のカーボンニュートラル目標実現に向けた政策動向の詳細情報収集、日中企業間の技術交流促進、中小企業の中国市場参入支援などが挙げられている。特に新型コロナウイルス感染症の影響で対面交流が制限される中、オンライン交流の効果的な活用方法の検討が重要となっている。日中省エネルギー・環境総合フォーラムは14回の開催実績を持つ重要なプラットフォームとして、今後もリアル交流とオンライン交流を組み合わせたハイブリッド形式での開催を検討し、両国の脱炭素社会実現に向けた協力関係強化に貢献していく方針である。