令和2年度新興国等におけるエネルギー使用合理化等に資する事業(省エネ等ビジネス世界展開促進事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、新興国における省エネルギー技術の海外展開を推進するビジネス促進事業について書かれた報告書である。
令和2年度に実施された本事業は、世界的なエネルギー需要増大と地球温暖化問題の解決を目的として、日本の優れた省エネルギー・新エネルギー関連技術の海外展開を包括的にサポートするものである。特に今後のエネルギー需要増大が予想される新興国において、日本企業による省エネ等ビジネスの展開を官民一体となって推進した。
事業内容は、ビジネス案件発掘に向けた調査分析、対象国へのWebを活用したアプローチ実施、国内外への情報発信、海外ビジネスフォーラムの開催、政策課題の抽出の5つの柱で構成される。実施にあたっては、世界省エネルギー等ビジネス推進協議会との緊密な連携により効果的な運営を行った。
ワーキンググループ活動では、ZEB普及ワーキンググループがASEAN地域でのビル省エネ関連機器導入を目指し、ZEB概念の国際標準化に取り組んだ。トルコ黒海沿岸ワーキンググループでは、この地域諸国における省エネ効率化機器の導入を検討し、廃棄物発電ワーキンググループでは特に東南アジアにおける質の高い廃棄物処理施設の導入を推進した。
新型コロナウイルスの影響により海外渡航が制限されたため、オンラインを活用したアプローチを積極的に採用した。ZEB普及では相手国政府や関係機関に対しZEB概念の解説やセミナー開催を行い、トルコ黒海沿岸では在京大使館との会合や現地金融機関とのオンライン面談を実施した。
国際展示会への出展としては、タイ・バンコクで開催されたASEW2020に日本企業の参加を募って出展し、日本の技術を直接PRした。また日本の省エネ・新エネ技術を紹介するPR媒体を日本語と英語で作成し、海外エネルギー当局や有力ビジネス関係先に配布した。
海外ビジネスフォーラムとして、ベトナムのハノイにおいて日越省エネ再エネビジネスフォーラムを日本とWebで繋いで開催し、両国企業のビジネスマッチングを推進した。また企画会議や連絡会議を複数回開催し、関係者との議論を通じて今後の省エネ等ビジネス海外展開促進に係る政策課題を抽出した。
