令和2年度「高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業:トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」報告書
報告書概要
この報告は、トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証事業について書かれた報告書である。令和2年度において、CO2排出量削減とトラックドライバ不足の解消を目的として、後続車有人システムと後続車無人システムの両方について実証実験を実施した。後続車有人システムでは、新共通仕様通信機を用いて協調型ACCの機能確認を行い、車間距離維持性の向上を図った。日本自動車研究所城里テストセンターでの実験では、先行車の要求加速度情報を利用することで制御性が向上することを確認し、その後常磐自動車道での公道実証実験を実施した。後続車無人システムでは、電子牽引技術による隊列走行を中心とした開発が進められ、磁気センサシステムによるトラッキング制御や制御ソフト設計支援システムの構築が行われた。テストコースでの実証実験を経て、最終的に新東名高速道路での公道実証実験を実施し、技術的な検証とともに一般ドライバーの受容性評価も行った。実証実験は2017年度からの継続事業として位置づけられ、マルチブランドによる隊列走行の技術確立と社会実装に向けた課題の整理が進められた。各種委員会やワーキンググループを通じて、技術面と事業環境面の両方から検討が行われ、2022年以降の事業化に向けた基盤が構築された。