令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査事業(建材トップランナー制度の運用実態調査及び窓の表示制度の状況調査)報告書

掲載日: 2022年3月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課
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令和2年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査事業(建材トップランナー制度の運用実態調査及び窓の表示制度の状況調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、建材トップランナー制度の運用実態と窓の性能表示制度について調査した報告書である。

経済産業省は、民生分野の省エネルギー対策として、建材トップランナー制度を導入し、断熱材と窓について熱損失防止性能の目標基準値を設定している。本調査では、制度対象となっているグラスウール断熱材、ロックウール断熱材、押出法ポリスチレンフォーム断熱材、硬質ポリウレタンフォーム断熱材、サッシ、複層ガラスの目標基準値達成状況を評価した。

グラスウール断熱材については、大手4社の熱伝導率加重平均値は改善傾向にあったが2019年度にやや横ばいとなり、2022年度目標達成には約1.7%の性能改善が必要である。ロックウール断熱材は大手2社において緩やかな改善傾向にあり、目標達成には約0.37%の性能改善が求められる。押出法ポリスチレンフォーム断熱材のボード品2種は目標を達成したが、3種や吹付品は未達成であった。

サッシについては、引き違いタイプで8.46%、縦すべり出しで0.95%、横すべり出しで2.06%の性能改善が必要であり、FIXと上げ下げタイプのみ目標を達成している。複層ガラスは目標を達成している状況である。

調査結果から、供給側では高性能化技術の開発と高性能製品の販売比率向上が重要であり、需要側では消費者や建物オーナーに対する省エネ性能の高い建材利用のメリット訴求と認知度向上が課題として明らかになった。建材トップランナー制度の認知度は現状低く、制度の周知と基準達成商品が選ばれやすい環境整備が急務である。