令和2年度技術協力活用型・新興国市場開拓事業(インフラ海外展開支援)事業報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が令和2年度に実施した技術協力活用型・新興国市場開拓事業について書かれた報告書である。一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)が事業実施者として、日本の質の高いインフラの海外展開促進を目的とした事業を実施した。当初は研修生の日本招へいや専門家の現地派遣を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、すべての研修をWeb会議システムを活用した遠隔研修に変更した。実施された遠隔研修は8案件で、ベトナム、インドネシア、ケニア、コロンビア、カンボジア、スリランカ、バングラデシュの7か国289人を対象とした。研修内容は、ベトナムのGTCCプロジェクト、インドネシアの系統安定化対策や自動車認定試験場関連、アジア高官向けLNGセミナー、水産インフラ輸出構想、ケニアのロードスタビライザー工法、APEC質の高いインフラ開発、コロンビアの新都市交通システムなど多岐にわたった。各研修では専門家による講義や技術指導を通じて、日本の優れたインフラ技術への理解向上を図った。遠隔研修の実施により、政府高官をはじめとする多様な分野の人材に対して日本の質の高いインフラ技術を紹介することができ、理解者の増加に寄与したと評価されている。今後は築いた人間関係や信頼感を活かして、案件受注や事業化に向けた調査、新たな技術支援、高技能人材育成などの発展的な活動への展開が期待されている。
