令和2年度高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業(シミュレーション技術を活用した開発高度化・認証の実態調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、自動走行技術やMaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業におけるシミュレーション技術を活用した開発高度化と認証の実態調査について書かれた報告書である。背景として、自動走行技術の発展により自動車開発の擦り合わせプロセスに大きな変化が生じており、我が国が当分野で世界をリードし続けるためには協調領域における戦略的取組が不可欠となっている。特に、バーチャル・シミュレーション技術を用いたモデルベース開発(MBD)の重要性が拡大し、従来の日本の自動車産業の強みである開発段階の「擦り合わせ」プロセスに変化をもたらす可能性が高い。本事業では、民間企業が主体となってガイドライン・準拠モデルが管理・維持・拡張される「自走する姿」の実現を目指している。今年度の調査では、自走する姿の構想実現に向けた委員会の運営、欧州における自動運転領域の動向把握を含む標準化関連団体との国際連携推進、人材育成の実務推進の3項目を実施した。自走する姿実現検討委員会及び実務者会議を組成し、運営主体が自走するための実施体制・計画の作成とトライアルを通じた事業性の検証を行った。また、運営主体におけるホームページの構成とコンテンツを明確化し、教育対象ユーザー像の整理と教育実施方針を作成した。国際連携においては、欧州におけるモデル開発フローに関する情報収集を実施し、欧州団体に対してMETIプラントモデルGLのプレゼンテーションを行った。今後は、MBD推進センターの立ち上げと共に、モデル流通等の有益性による自動車業界内でのプレゼンス向上を通じて組織を拡大していくことが必要である。
