令和2年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(周辺地域と連携した広域観光ルートの開発による観光流動の活性化に係る調査事業)事業報告書

掲載日: 2022年4月8日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局資源エネルギー環境部電力・ガス事業課
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令和2年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(周辺地域と連携した広域観光ルートの開発による観光流動の活性化に係る調査事業)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、佐賀県玄海町における原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業として実施された、周辺地域と連携した広域観光ルート開発による観光流動活性化に関する調査事業について書かれた報告書である。

玄海町は浜野浦の棚田という重要な観光資産を有しているが、ゴールデンウィーク期間に集中する来訪者に対して町内での消費機会が限られており、年間を通じた観光流動の拡大と地域経済への波及効果向上が課題となっている。また単独では観光資産や人的リソースが不足しているため、周辺自治体との連携による広域観光の推進が必要である。

令和2年度の事業では、広域連携による観光振興のための取り組み支援と魅力的な観光ルート開発に必要な調査を実施した。具体的には、観光に関する検討会を3回開催し、地元事業者との意見交換会および勉強会を実施した。また観光動向に関する詳細な調査・分析として、文献調査、インターネット調査、各種報告書調査、統計データ調査、来訪者アンケート調査、大学生によるアイデアブレストを行った。

調査結果から、玄海町を含む旧上場4町の観光特性として、リアス式海岸の美しい景観、漁村文化、豊富な海産物、棚田などの農業景観が明らかになった。広域観光推進に向けた課題として、観光資源の季節的偏在、受入体制の不足、事業者間連携の不足、情報発信力の不足が挙げられた。

これらを踏まえ、「上場の風土に触れ、人とつながる旅」というコンセプトのもと、3つの商品パッケージを提案している。第一に棚田を核とした農業体験と地域文化体験、第二にE-bikeを活用した漁村集落周遊プログラム、第三にワーケーションを組み合わせた中長期滞在プログラムである。

令和3年度以降の活動計画として、玄海町と唐津市による広域検討会の設置、体験コンテンツの掘り起こしと整理、広域観光ルートの試行的実践と検証、観光関連事業者による共創会議の開催が提案されている。これらの取り組みを通じて持続可能な広域観光システムの構築を目指している。