令和2年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(情報処理技術者試験等の活用に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、情報処理技術者試験の英語化及び外国人IT人材の活用に関する調査について書かれた報告書である。経済産業省が2030年に約45万人不足すると試算したIT人材不足の解決策として、外国人IT人材の活用促進を目的とした調査が実施された。現在の情報処理技術者試験は日本語のみで実施されており、外国人の受験状況が明確でないことから、企業における試験活用実態と英語化ニーズを調査した。国内IT企業、留学生、大学を対象としたアンケート調査では、IT企業の約2割が今後アジア共通統一試験を活用する可能性を示したが、認知度は5%未満と低い状況であった。英語化試験の実施に関する検討では、初期費用として1.5億円のシステム改修費用と年間1億1,749万円の運営費用が必要となるが、現行の受験料5,700円では採算が取れず、約2.06万人の受験者または11.7万円の受験料が必要という結果となった。ヒアリング調査では、外国人IT人材の在留資格取得における情報処理技術者試験の特例制度の活用状況や、アジア共通統一試験の普及課題が明らかになった。調査結果を踏まえ、英語化試験の実施は現実的でないと結論づけられ、代替案としてアジア共通統一試験の普及促進が提案された。普及に向けた方策として、認知度向上、ブランド力強化、受験ニーズ分析、試験の位置づけ見直しの4つの方向性が示された。
