令和2年度高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業費CASE等による産業構造変化を見据えた国内技術動向調査報告書
報告書概要
この報告は、CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)等による自動車産業の構造変化と新型コロナウィルス感染症の影響を踏まえた国内技術動向について書かれた報告書である。報告書は、令和2年度における高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業として実施され、自動車産業の競争力維持・強化を目的としている。
調査は5つの主要テーマで構成されており、国内自動車関連サプライチェーンの体系的把握、中核企業の技術・製品分析、将来的な技術進展を見据えた自動車政策の方向性検討、新型コロナウィルス再拡大によるサプライチェーン影響調査、カーボンニュートラル宣言を受けた影響調査が含まれる。
日本の自動車産業は約10社の日系OEMに対し約7,000社の自動車部品サプライヤが支える構造となっており、グローバル自動車部品サプライヤランキングでは売上高トップ30に入る日系企業は9社に留まっている。日系OEMはヒエラルキー構造の中でケイレツからの部品調達を実施し、特に内装、車体・外装領域では依存度が高い状況である。日系サプライヤは電動化領域とメカトロニクス関連部品に強みを持つ。
報告書はさらに、バイデン政権によるパリ協定復帰や環境投資加速、各国のグリーンリカバリー政策、ESG投資の伸長について分析している。これらの動向により、カーボンニュートラルがグローバルで加速する転換点となる可能性を指摘し、自動車産業における環境対応の重要性を強調している。
