令和2年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費 (地球温暖化問題を巡る国際動向調査 (温暖化抑制に係る取組指針の科学的根拠について)) 調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度に実施されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書の作成プロセスに関する調査結果について書かれた報告書である。
IPCCは温暖化に関する科学的知見を収集・評価し、第一作業部会(温暖化予測)、第二作業部会(温暖化影響と適応)、第三作業部会(温暖化緩和)からなる評価報告書を作成している。令和2年度は第6次評価報告書の執筆作業が本格化し、特に第三作業部会報告書について10月にLight-touching stocktake Meetingが開催され、2次ドラフトが作成された後、1月から3月にかけて専門家・政府レビューが実施された。
経済産業省は温暖化緩和を担当する第三作業部会を中心に、政府意見の取りまとめと発信、国内執筆者間の情報交換促進を行っている。本調査事業では、IPCC総会や専門家会合への出席を通じた情報収集・分析、国内連絡会やWG3幹事会の開催による執筆者間の連携促進、報告書ドラフトのレビュー支援を実施した。
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、すべての会合がオンライン形式で開催された。IPCC第53回総会と第53回bis総会がオンラインで実施され、予算承認や第6次評価サイクルのスケジュール調整が行われた。第三作業部会関連では、Light-touch stocktake Meetingと第4回執筆者会合がオンラインで開催され、各章の執筆状況確認や2次ドラフトの検討が進められた。
報告書ドラフトのレビュー支援では、第三作業部会、第一作業部会、第二作業部会の各2次ドラフトについて専門的知見からの助言、翻訳、有識者ヒアリングを実施し、日本政府コメントの作成を支援した。また、国内体制として第三作業部会幹事会を開催し、委員と関係省庁担当者による情報共有と意見交換を行った。さらに、AR6 WG3執筆者と産業界有識者との非公式意見交換会を開催し、産業界の最新情報や知見を執筆者と共有する場を提供した。
