令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(専門家派遣システム構築に係る実証事業)調査報告書

掲載日: 2022年5月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部経営支援課
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令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(専門家派遣システム構築に係る実証事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、中小企業庁の専門家派遣事業における新システム「中小企業119」の構築・実証に関する調査報告書である。従来の「ミラサポ」システムでは、領収書等の郵送手続きや複雑な報告作業により、専門家・事務局に多大な処理コストが発生していた。このため本事業では、業務フローの電子化と新技術活用による効率化を目指し、専門家がスマートフォンのLINEアプリで登録・報告を行う新システムを構築した。事業者にとっては派遣可能機関検索の改善と従事証明の簡易化、派遣可能機関にとっては写真撮影の廃止と日程変更機能の実装、専門家にとってはGPS機能による支援時刻・場所記録と各種書類の電子化が主要な変更点となった。ヒアリング調査の結果、支援報告の負担軽減、事業者システム操作の廃止による負担軽減、サイト情報の整理などの改善効果が確認された。郵送コストについては、現行システムで年間約3,575万円要していたものが、新システムでは電子データ提出により大幅削減が可能となった。一方で、新機能への理解不足、スマートフォンでの長文入力への不安、派遣可能機関の新たな業務負担などの課題も明らかになった。これらの検証結果を踏まえ、専門家の支援報告におけるパソコン入力対応、自由記述報告の必須化、派遣可能機関の負担軽減機能導入、用語説明の強化などが提案された。次年度以降は継続的なヒアリングによるユーザーニーズ把握と、FAQ検索履歴等の多様な方法によるニーズ収集を通じて、システム改修・追加を実施することを目標とする。