令和2年度エネルギー需給に関する統計整備等のための調査(総合エネルギー統計関係の整備及び分析に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和2年度に実施されたエネルギー需給に関する統計整備等のための調査について書かれた報告書である。本調査は経済産業省資源エネルギー庁の委託を受けて日本エネルギー経済研究所が実施したもので、総合エネルギー統計の作成とその品質向上を目的としている。総合エネルギー統計は、わが国に輸入または国内で生産されたエネルギー源がどのように転換され、最終的にどの部門で消費されたかを表す重要な統計である。
調査の主要な内容として、まず総合エネルギー統計で使用する一次統計の確認が行われ、電力調査統計における雑用分と他統計との重複排除、その他重油やその他ガスなどの項目への対応が実施された。また、発電事業者を対象とした総合エネルギー統計補足調査が実施され、626事業者から回答を得て回収率95.3%を達成した。この調査により各電源の発電端発電量、所内用電力量、送電端電力量のデータが収集された。
調査結果から各電源の所内率の分析が行われ、石炭火力で約6.5%、LNG火力で約2.7%、原子力で約6.4%などの値が得られた。これらのデータを基に2019年度総合エネルギー統計の速報版と確報版が作成され、品質管理システムを用いた検証も実施された。さらに農業、林業、漁業の消費量推計方法の改善も行われた。
報告書では外部からの問い合わせへの対応状況も記載されており、統計の精度向上と利用者サービスの向上が図られている。また、総合エネルギー統計作成マニュアルや解説の作成も行われ、統計作成の標準化と透明性の確保に努めている。本調査により得られた成果は、エネルギー政策の企画立案や国際機関への報告、温室効果ガス排出量の算定等に活用されることとなる。
