令和2年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(子育てノンストップ推進事業(予防接種))最終報告書
報告書概要
この報告は、デジタル予診票システムにおけるデータポータビリティの確保に向けた実証実験について書かれた報告書である。本調査では地域実証実験と机上演習の2つのアプローチを通じて、利用者データの移行可能性を検証している。地域実証では実際の参加者による検証を実施し、参加者アンケートおよびヒアリング調査により利便性や課題を把握した。また、実証参加事業者のシステムを想定した机上演習により、データポータビリティ要件の妥当性を検証している。
調査の進め方としては、まずデータポータビリティにおける課題と論点を整理し、マイナポータル上でのデータ蓄積を含むシステム要件を中心に検討を行った。その後、実証参加事業者を交えた要件検討により、データポータビリティ実現に向けた具体的な要件を整理している。さらに、これらの要件が十分であるかを机上演習で検証し、結果を踏まえた要件の見直しと今後の改善課題の整理を実施している。
システム要件定義においては、完了後予診票確認機能として、接種が完了していない予診票を自治体が確認できる機能を定義している。非機能要件では、3省2ガイドラインに準拠したセキュリティ要件、24時間無停止の可用性要件、99.5%以上の稼働率要件などが設定されている。また、災害対策として大規模災害時の1週間以内復旧目標、性能要件として3秒以内のオンラインレスポンス時間などが定められ、運用・保守性についても詳細な要件が規定されている。
